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2024年4月号

ニューストピックス


■スタートアップへ「プッシュ型支援」(特許庁)
■特許庁が「くら寿司」とのコラボ動画を公開
■蚊防除スプレーの特許侵害でアース製薬を提訴(大日本除虫菊)
■輸入差止の模倣品、過去2番目の多さ(財務省関税局)

●スタートアップへ「プッシュ型支援」(特許庁)
特許庁は2024年4月より、特許を出願したスタートアップ企業に対して特許庁側から積極的に連絡を取り、支援策の活用などをサポートする「プッシュ型支援」(PASS:Push-type Assistance Service for Startups)を開始します。

https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240308003/20240308003.html

特に支援策の一つである「スタートアップ対応面接活用早期審査」では、これまでは「早期審査に関する事情説明書」の提出が必要でしたが、「PASS」に基づく特許庁からの連絡を受けた出願人は、事情説明書を提出せずとも、利用の希望を特許庁側に電話で伝える等の簡易的な手続により早期審査を受けることができます。これにより、通常より早期の審査や事業戦略に即した権利取得が可能になるとされています。

●特許庁が「くら寿司」とのコラボ動画を公開
特許庁は、知的財産を楽しく学んでもらうために、YouTubeチャンネル「JPOちゅーぶ」で動画を配信していますが、このほど、回転寿司業界の発明王と言われる「くら寿司株式会社」とコラボ動画(前半・後半)を作成し、公開しました。

https://www.youtube.com/watch?v=EoLL7H9HxvM

前半の動画では、特許庁の職員が、回転寿司業界の発明王として知られる、くら寿司の店舗に実際に赴き、入店してから食事をして会計するまでの間にどれだけの知財(特許・商標・意匠)が活用されているのかを紹介します。後半の動画では、特許庁の職員が、くら寿司の広報部長に、くら寿司の知財戦略についてインタビューする内容となっています。

●蚊防除スプレーの特許侵害でアース製薬を提訴(大日本除虫菊)
「金鳥(KINCHO)」ブランドで知られる「大日本除虫菊」は、スプレーで噴霧する「蚊類防除用エアゾール」の発明に関する特許権(特許第7026270号)に基づき、アース製薬に対し、同種製品の製造・販売の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表しました。

https://www.kincho.co.jp/release/pdf/240304_release.pdf

大日本除虫菊は、蚊は飛んでいる時間よりも壁などに止まっている時間の方が長いという習性を自社の研究開発で発見。「蚊類防除用エアゾール」の噴射力や、噴射容量などを調整することにより、室内空間の露出部に付着させ、蚊に対し、優れた防除効果を持つ「蚊類防除用エアゾール」の発明について特許権を取得。2010年から「蚊がいなくなるスプレーシリーズ」として発売しています。大日本除虫菊によると、アース製薬の「おすだけノーマットスプレータイプ」などは、「蚊がいなくなるスプレーシリーズ」の基本となる特許を侵害していると訴えています。

●輸入差止の模倣品、過去2番目の多さ(財務省関税局)
財務省は、2023年に全国の税関で偽ブランド品など知的財産侵害物品の輸入を差し止めた件数が前年比17.5%増の3万1666件だったと発表しました。

https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2023/index.html

3年ぶりに3万件を超え、1987年に統計を取り始めて以降、2番目の多い摘発となりました。種類別では衣類が最も多く1万401件と全体の28%を占め、次いで財布やハンドバッグなどのバッグ類、靴類などとなっています。違法なコピー品の中には、ドジャース・大谷選手のユニフォームも多数含まれています。大谷選手の移籍が決定したのは2023年の12月半ばにもかかわらず、年末にはすでに偽造ユニフォームが差し止められています。輸送形態別では、郵便物による輸入が9割を占めています。財務省は、国境を越えた電子商取引(EC)の発達などを背景に「模倣品輸入の小口化が進んでいる」と分析しています。

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